ネコの食事において必須といえるタンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル。さらに水を加えた6大栄養素。中でもネコちゃんが元気に活動するためのエネルギーを担っているのが、
- 炭水化物
- 脂質
この2つになります。
炭水化物については、【ネコの食事に炭水化物って必要?】糖質や穀物類のメリット・デメリットまとめで詳しく解説しています。
そこで当ページでは、ネコの食事と脂肪(脂質)の役割について詳しく解説しています。早速みていきましょう!
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ネコにとって脂肪とはどんな栄養素?
タンパク質、炭水化物、脂肪の3大栄養素の中でも、1グラム当たりのエネルギーが断トツに多く、活動に必要なエネルギーをもっとも効率よく摂取できるのが脂肪です。
その他、ビタミンを運ぶお手伝いをしたり、毛艶を良くしたり皮膚疾患を防ぐという働きもあります。他にもあるのでみていきましょう!
ネコの食事での脂肪の役割
ではネコの食生活にとって、脂肪がどんな役割を果たしているのかご説明します。
- 活動するエネルギー
- ホルモンの原料
- 脂溶性ビタミンを運ぶ
- 皮膚、被毛を保護
- 炎症をおさえる
脂肪を摂取することで期待できる働きは以上の5つ。
もうちょっと詳しく説明しますので一緒に見ていきましょう!
活動するためのエネルギー

出典 犬と猫の栄養成分辞典
脂肪1グラムあたりのエネルギーは8.5キロカロリー。
タンパク質や炭水化物が1グラムあたり3.5キロカロリーというエネルギー量に比べると、なんと約2.5倍の数字です。
結果、それだけ少ない摂取量でより多くのエネルギーを得ることができます。
また体内に蓄積できないタンパク質と違い、多めにとった脂肪は皮下などに蓄えられ、エネルギーが必要な際に再利用されます。
ホルモンの原料
ネコが消化や代謝を繰り返し行うために必要なホルモン。こういったホルモンの原料になるが脂肪とタンパク質です。
脂溶性ビタミンを運ぶ
ビタミンA、D、E、Kに代表される油脂に溶けやすい脂溶性ビタミン。
これらの脂肪性ビタミンと同時に脂肪を摂ることで、カラダ全体に効率よく運んで吸収されます。
皮膚、被毛を守る
皮膚、被毛を守るオメガ6系脂肪酸を効率よく補給するために脂肪は最適です。
また皮脂腺から分泌される皮脂の原料になるのが脂肪です。
皮脂腺から十分な皮脂が分泌されることで、皮膚や被毛の状態を良好に保ち、結果として見た目の毛艶などはもちろん、細菌感染やケガから体を守っています。
炎症をおさえる
大切な生体防御反応の1つである炎症。体に侵入した病原体の広がりを食い止める働きがあります。
炎症を食い止めるための 物質を生成するためにも脂肪は欠かせません。
皮膚からの水分喪失を防いだり皮膚のバリア機能に欠かせない成分のα-リノレン酸や炎症を抑えるEPA/DHAは脂肪から摂取できます。炎症をおさえることで皮膚炎、関節炎などの炎症性疾患の予防につながります。
脂肪の種類
脂肪は大きく分けて脂肪酸とグリセロールの2つに分けることができ、中でもネコの健康に重要な担っているのが脂肪酸です。
またこの脂肪酸を大きく2つに分けると
- 飽和脂肪酸
- 不飽和脂肪酸
の2つに分けることができます。
脂肪酸は脂肪を構成する成分の一つで色々な種類があるが、大きく次のように分類される。
飽和脂肪酸
牛脂やラードなど、常温で固形の脂肪で主に動物性脂肪に含まれるもの。
不飽和脂肪酸
常温で液状の脂肪、オリーブオイルやサラダオイルなど、植物性の脂肪に含まれるもの
タンパク質におけるアミノ酸の中の必須アミノ酸のように、不飽和脂肪酸の中にもネコが体内で作ることのできないリノール酸 やアラキドン酸など必須脂肪酸というものもあります。
※ネコの場合、オメガ3系脂肪酸やオメガ6系脂肪酸の脂肪酸は体内で合成できないため、必ず食事から摂取する必要があり必須脂肪酸とよばれています。
脂肪はどんなものに含まれる?
キャットフードの場合、脂肪は主に以下の2つに分けることができます。

出典 犬と猫の栄養成分辞典
食生活で脂肪を取るためには、肉類や卵などの動物性脂肪、または大豆油や亜麻仁油などの植物性脂肪として摂れます。
先ほどお伝えした必須脂肪酸のリノール酸の場合、 鶏油などの 動物性脂肪やコーン油などの植物性脂肪に多く含まれています。もう1つの必須脂肪酸、アラキドン酸は 鶏肉や卵白から摂取できます。
脂肪を多めに摂取しておきたいネコ
とくに成長期の前半くらいのネコは、胃腸が未熟なためデンプン質を上手く消化吸収できません。炭水化物の代わりに脂肪を多めに摂取しておきましょう。
また毛艶が悪くなった、皮膚炎など皮膚の状態がよくない……こんなネコの場合も、皮膚や被毛を健康に保つオメガ6系脂肪酸の補給を目的に脂肪を積極的に摂取しておきましょう。
また関節炎や慢性腎臓病といった病気の不安があるネコの場合も予防をかねて、EPA/DHAを補給できる脂肪を摂っておきましょう。
脂肪を控えめしておきたいネコ
まず標準より肥満気味のネコ、加齢によってお腹周りがタプついてきたネコちゃん。
また脂肪肝、高脂血症などの内臓疾患の症状がみられる、または予防しておきたいネコちゃんも脂肪の量は控えめにしておきましょう。
【まとめ】ネコの状態に合った脂肪を!
以上、ネコの食事にとっての脂肪の役割と脂肪の種類、さらに体内では生成できない必須脂肪酸について解説してきました。
炭水化物やタンパク質より約2.5倍も高いエネルギーで、効率的にエネルギーを摂取できる脂肪ですが、過剰に摂取しすぎれば肥満や多くの生活習慣病を招く危険もあります。参考:【太り過ぎのネコ】デブ猫ちゃんが痩せるためのダイエット食・肥満対策まとめ
また意外な役割としては、脂溶性ビタミンを効率よく体中に届ける手助けもしているんですね。ぜひビタミンと一緒に摂っておきたいものです。
タンパク質や炭水化物にもいえることですが、バランスよく適量を摂ることが肝心で、多すぎても少なすぎてもダメということ。今後、キャットフードを購入する際は、しっかりとラベルやパッケージをチェックし、脂肪の量や内容もしっかり吟味して選んでください。
当ページが愛猫ちゃんの健康な食生活のお役に立てれば幸いです!
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